噛む効果がすごい|よく噛んで食べることが大事な理由5つ
よく噛んで食べた方がいい、ということを耳にする。
だが、我が身を振り返ってみると、できているとはいいがたい。その理由だが、まず、早く食事を終えたい…という気持ちがある。特に、昼食時は時間がもったいない、と思ってしまうのだ。
また、噛むのが面倒だ…ということもある。反芻するように何度も噛むのは、じれったいというか面倒だと感じてしまう。さらに、噛む効果についてよく理解していない…ということもある。
今回は、よく噛んで食べることが大事な理由について書いてみたい。
目次
卑弥呼の歯がいーぜ
卑弥呼の歯がいーぜ、という標語があるそうだ。
まずは、前半の「卑弥呼の」までだが、「ひ」は肥満の防止、「み」は味覚の改善、「こ」は言葉の改善、「の」は脳の発達を意味するそうだ。後半の「歯がいーぜ」だが、「は」は歯の病気予防を意味し、「が」はガンの予防、「いー」は胃腸の改善、「ぜ」は全力投球を意味するそうだ。
最後の「全力投球」がわかりずらいので、少し説明しておく。よく噛んで食べれば、仕事や遊びに全力投球できる…という意味のようだ。「卑弥呼の歯がいー」までの効果を享受すると、健康を保つことができ、かつ身体の調子が良くなるので、生活に全力投球できる…という意味だろう。
※これは、「噛む効果」を表した標語だ。
肥満の防止になる
よく噛んで食べると、肥満の防止になる。
唾液は、食べ物が舌や口の中の粘膜に触れることで反射的(無条件反射)に分泌されることから、口の中により長い間食べ物があれば、それだけ多くのデンプンが糖に分解されます。つまり、よく噛むと血糖値があがって満腹中枢が早めに刺激され、食べ過ぎを防ぐことができます
出典:よく噛んだら痩せられる!? : タニタ運営[からだカルテ]
よく噛んで食べると、必然的に食事の時間が長くなる。そのため、食事の途中で満腹中枢が刺激され、「このぐらいにしておこう」となるようだ。満腹中枢を刺激するためには、血糖を上げる必要がある。食べ物をよく噛めば唾液に含まれる酵素により、デンプンから糖が生成され血糖値が上がる。その結果、満腹中枢が刺激され、余分な食欲が抑えられる…というメカニズムだ。
※なので、よく噛まない「早食い」は、太る原因になる。
味覚の改善になる
よく噛んで食べると、味覚の改善になる。
よく噛んで食べると、食品の味がよくわかる…ということだ。たしかに、かき込むようにして早く食べるときと、ゆっくり食べるときを比較すると、後者の方が個々の食品の味がよくわかる。録画した映像を早送りすると、画像をはっきり認識できないこととどこか似ている(笑)。
※どちらも、コンテンツを十分に楽しめない。
唾液は食物を分解し、その味を感じやすくする役割を持っているそうだ。なので、食物を唾液と絡めてゆっくり食べることで、食物の味を感じやすくなる…ということだろう。
脳の活性化につながる
よく噛んで食べると、脳の活性化につながるそうだ。
よく噛むと脳の神経が刺激されます。そのため、脳が活性化して、記憶力を助けるのです。特に、記憶のために働く「海馬(かいば)」が活性されます
出典:よく噛むことの5つの効果とメリット
よく噛んで食べると、脳の神経が刺激されるそうだ。その結果、記憶力の向上が見込める…ということのようだ。海馬が活性化する、ということなので、短期記憶の保存がより上手くいくようになるのだろう。また、噛むことは集中力にも影響するようだ。スポーツ選手がガムを噛んでリラックスする…というシーンを見たことがあるが、集中力を高めることにもなるのかもしれない。
※よく噛んで食べることは、認知症の予防にもなる可能性がある。
脳の働きを高めるためには…
以前の記事で、脳の働きを高めるためには、ブドウ糖をとればいい…とした。もちろん、糖分なのでとりすぎには注意すべきだが、ご飯などを食べるときに、(特に)よく噛んで食べればいいと思うのだ。それらはやわらかい食品なので、ともするとあまり噛まずに食べることになるが、よく噛むことを意識して食べたい。そうすれば、(+噛む効果で)ダブルで効果があるかもしれない。
歯の病気予防になる
よく噛んで食べると、歯の病気予防になる。
このことは普段イメージしにくいが、ちゃんとした理由がある。よく噛めば、唾液が出る。唾液には、食物の消化を助ける役割があるが、もうひとつ、口内の衛生を保つという役割がある。具体的に言うと、唾液には殺菌作用があるため、虫歯菌などの菌の繁殖を抑えることができるのだ。
唾液が少ないと、虫歯になったり歯周病になったりしやすい…という話を聞いたことがあると思う。これは唾液の殺菌作用の恩恵を受けることができないため、そうなってしまうのだ。
※唾液を出すと、(殺菌作用により)口臭も抑えることができる。
胃腸の働きがよくなる
よく噛んで食べると、胃腸の働きがよくなる。
よく噛むと、食物が細かくなったり、すりつぶされたりするので、消化の助けになる。また、唾液の消化作用(但し、たんぱく質は消化できない)を利用できるので、これも消化の助けになる。口の中である程度消化しておけば、その後のプロセスでの消化・吸収が楽になることは必然だ。
噛めば消化酵素の節約になる
よく噛んで食べると、消化酵素の節約になるそうだ。(よく噛んで食べると)唾液として分泌される酵素の量は増えるが、胃腸で使われる酵素の量が減り、腸の状態を整えるための酵素の量が少なくて済むそうだ。その結果、消化酵素の節約になる…というわけだ(健康にいいと思う)。
何回噛めばいいのか
では、何回噛んで食べればいいのだろうか。
以前の記事で、30回が噛む目安になる…とした。成人の歯の本数が28~32本なので、それと同じぐらいの回数噛む、ということになる。
ただ、食品によってはそれまでに溶けてしまって噛めないというものもあるし(お粥は30回も噛めない)、そこまで噛むと味を損ねる…というケースもある。なので、あくまでも目安だと考えればいいだろう。何が何でも30回とする必要はない。
もちろん、噛めるのであれば、30回以上噛んでもいい。30~40回噛むことをすすめる医師や30~50回噛むことをすすめる医師もいる。実践的には、最大で50回ぐらいだろう。
牛乳も噛むのか?
牛乳を噛んで飲めばいい、という話を聞くことがある。
また、良く噛んでいると、唾液中からはベルオキシダーゼという酵素が出てきますが、これは、発癌物質の変異原性(毒性)を抑えてくれます。さらに、パロチンという唾液腺ホルモンが唾液と一緒に口の中に分泌される途中、一部は血液中へ送り込まれ、骨や筋肉を丈夫にし、老化防止の効果もある、といわれています。
出典:牛乳も噛んで飲む?
この話には、医学的な根拠があるようだ。
噛むことにより、胃液の分泌が促され、胃粘膜を保護する粘液も分泌されるそうだ(胃液は、牛乳の消化とは直接関係がないようだが、ほかのものを一緒に食べるときは、関係してくる)。
さらに、引用にあるような効果が期待できるようだ。
まとめ
今回は、よく噛んで食べることが大事な理由について書いてみた。
今回特に取り上げたのは、1)肥満の防止になる、2)味覚の改善になる、3)脳の活性化につながる、4)歯の病気予防になる、5)胃腸の働きがよくなる、の5つの効果だ。どれも大事な効果だが、私的には「胃腸の働きがよくなる」に注目している。日々の体調改善に直接的な影響があると思うためだ。なので、よく噛んで食べると、体調がこれまでより良くなるかもしれない。
今回の記事:「噛む効果がすごい|よく噛んで食べることが大事な理由5つ」