カラフル野菜の栄養と効果
あなたは、野菜をバランスよく食べているだろうか。
色とりどりのカラフルな野菜をバランスよく摂っているだろうか。
野菜をバランスよく食べることが身体にいい…ということは、誰もが知っていることだと思うが、野菜の色と栄養や効果の関係について、考えたことがあるだろうか。たとえば、色鮮やかな野菜の色素成分の中には、強い抗酸化作用を持つものがあり、かなり注目されている。
今回は、カラフル野菜の栄養と効果について書いてみたい。
目次
緑色の野菜
緑色は、葉緑素の色だ。
なので、葉物野菜は緑色になる。
緑色はご存知の葉緑素で、大抵の葉菜に含まれますが、ホウレンソウや緑ピーマンなどに特に多く、抗酸化性、がん予防、消臭・殺菌などの機能性を示します。
出典:カラフル野菜の色素の話
葉緑素は、ほうれんそうや緑ピーマンなどに特に多く含まれるそうだ。
緑色の野菜には、抗酸化性、がん予防、消臭・殺菌などの効果があるとされる。また、緑色の野菜を食べると、貧血の予防にもなり、整腸効果も期待できるそうだ。そういえば、葉緑素で口臭を予防できる、と聞いたことがある。葉緑素は、「クロロフィル」と呼ばれることも多いようだ。
緑の色素成分には、強い「抗酸化作用」があるそうだ。
日光を浴びて育つ野菜は、成長過程で紫外線にさらされるが、この紫外線から身を守るために作り出したものが、色素成分だそうだ。その色素成分は、人の体内でも効果を維持し働くようだ。
具体的には…
緑色の野菜には、次のようなものがある。
ほうれんそう、緑ピーマン、しそ、モロヘイヤ、キャベツ、ブロッコリー、長ネギ、オクラ、春菊、ベビーリーフ、レタス、など。個人的には、「ほうれんそう」をよく食べている。
ほうれんそうには、βカロテン(プロビタミン)が含まれており、活性酸素の除去や動脈硬化の原因になる脂肪の酸化を防ぐ働きが期待できる。※なので、高血圧の人にも良さそうだ。
緑色の野菜の効果は、たいしたものだ。
黄色~赤色の野菜
黄色~赤色の野菜の栄養と効果
黄色、オレンジ、赤色の野菜がある。
黄~赤色は食欲を促進する色のカロテノイドで、カロテン類とキサントフィル類があり、抗酸化性が高く、がんや老化の防止効果、抗アレルギー作用などをもちます。
出典:カラフル野菜の色素の話
まず、にんじんやカボチャなどには、βカロテン(プロビタミン)が含まれている。
βカロテン(プロビタミン)は、体内で「ビタミンA」に変化する。ビタミンAには過剰摂取することで弊害が生じる…という欠点があるが、 βカロテンの場合は、必要なときにしか「ビタミンA」に変化しないので、ビタミンAを過剰摂取する、ということにはならないそうだ。
βカロテン(プロビタミン)には、ほうれんそうのところで述べたように、活性酸素の除去や動脈硬化の原因になる脂肪の酸化を防ぐ働きがあり、高血圧の人にもいいと思う。
※高血圧の人は、動脈硬化に要注意だ。
赤にはリコピンがある
トマトなどの赤い野菜には、「リコピン」が含まれる。
スローフードとして有名なある地域では、トマトがよく食べられているそうだ。
リコピンは強い「抗酸化作用」を持っており、先に述べた「βカロテン」よりも抗酸化作用は強いそうだ。そして、コレステロールの酸化も防ぐため、動脈硬化の予防につながるそうだ。
※肺がん、乳がんなどのがん細胞の増殖を抑える、とも言われている。
血液がサラサラに…
トマトには、ピラジンという成分も含まれる。
このピラジンという成分は、血液をサラサラにする働きがある。コレステロールの酸化を防ぎ(リコピン)、血液をサラサラにする働き(ピラジン)も持つトマトは、高血圧の人にとっては良い食材かもしれない。※手軽に飲める、100%のトマトジュースなどもいいだろう。
赤い野菜には、トマト、赤パプリカ、赤キャベツなどがある。
オレンジには…
オレンジ色の食品もある。
■オレンジパプリカ
抗酸化作用によって老化を防ぎ、生活習慣病の予防に役だつβ-カロテンや、美白効果や免疫力の向上が期待できるビタミンC、「若返りのビタミン」と呼ばれエイジングケア効果があるビタミンEなど、赤と黄色、両方の成分を含んでいます。
出典:パプリカの色ごとに違う栄養価について
オレンジパプリカには、先に述べたβカロテン(プロビタミン)が含まれている。
また、ビタミンCやビタミンEなども含まれているそうだ。
以下、野菜ではないが…
鮭のオレンジ色は、アスタキサンチンという物質によるものだそうだ。
アスタキサンチンは、βカロテンやリコピンよりも強力な抗酸化作用を持っているそうだ。リコピンと同様に、血液中のコレステロールなどの酸化を防ぐため、動脈硬化の予防が期待できる。
抗酸化作用の比較:
抗酸化作用で比べると、
抗酸化作用を享受したい人は、鮭を食べるといい。
紫色~白色の野菜
紫色の野菜の効果
ナスのような、紫色の野菜もある。
アントシアニンにも強い抗酸化作用があり、がんや動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立つほか、目の健康維持にも効果があります。ちなみに、色素なので当然ですが紫色が濃いところに多く含まれています。だから、ナスの場合は皮にしかアントシアニン類は含まれていないので、色素の健康効果を期待するときは皮ごと調理しましょう。
出典:見た目がイイだけじゃない! 野菜の色と栄養の関係
ナスやブルーベリーなどには、アントシアニンという物質が含まれるそうだ。
アントシアニンにも、強い抗酸化作用があり、がんや動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立つようだ。この物質は色素なので、紫色の濃い部分に含まれる。したがって、アントシアニンを取り入れようと思えば、皮を食べる必要がありそうだ。※ぶどうにもアントシアニンが含まれる。
その効果は、
アントシアニンにはこのロドプシンの再合成を助ける働きがあるため、年齢や目の疲れによるショボつきやかすみ、ぼやけなどを予防・改善する効果があります。また、アントシアニンには目の周りの血流を改善し、眼精疲労を改善する効果があります。
出典:ブドウ | 成分情報 | わかさの秘密
視機能を改善する効果、
また、アントシアニンには内臓脂肪の蓄積を抑え、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)を予防する効果があることも明らかになり、注目を集めています。
出典:ブドウ | 成分情報 | わかさの秘密
メタボリックシンドロームを予防する効果もあるそうだ。
ただしこちらも、皮を食べる必要がありそうだ。
※紫は皮が大事。
白色の野菜の効果
たまねぎのような、白い野菜もある。
たまねぎに含まれるケルセチンと呼ばれる物質は、関節炎からくる炎症をやわらげたり、ガンや心臓病、糖尿病のリスクを下げることに関係していることが分かっています。
出典:緑黄色だけじゃ足りない!食べなきゃヤバい「白い野菜」5つ
たまねぎには、ガンや心臓病、糖尿病のリスクを下げる物質が含まれているようだ。
にんにくには、
毛の成長を促してくれる、ニキビなどの吹き出物を消してくれる、風邪などを防いでくれるなどの効果があります。にんにくの持つ抗酸化作用が、あなたの免疫の働きを助けてくれます。調理する前に、切ったにんにくを空気に触れさせると、その効果が高まりますので、お忘れなく。
出典:緑黄色だけじゃ足りない!食べなきゃヤバい「白い野菜」5つ
免疫を強化する効果があるようだ。
だいこんには…
だいこんには、
大根の根の部分には、でんぷんの消化酵素であるジアスターゼが多く含まれているほか、グリコシダーゼなどの酵素が含まれているため、食物の消化を助けるとともに腸の働きを整えてくれる効果があります。
ジアスターゼにはまた、焼き魚の焦げた部分に含まれる発ガン物質の解消をはじめ、高い解毒作用もあり、付け合せの大根おろしなどはまさに理にかなった食べ方といえるでしょう。
出典:健康に良い免疫力を高める食べ物 大根
腸の働きを整えてくれる効果があるようだ。
また、発ガン物質を解消したり、解毒作用もあるようだ。
白色の野菜にも、抗酸化作用があり、血管を強くする、という働きもあるそうだ(脳卒中を予防する効果もある)。なので、高血圧の人にとっても良い食べ物になるだろう。
※ここまで紹介した野菜全般、高血圧にはいいようだ。
カラフル野菜の栄養と効果 - サマリー
まとめ
今回は、カラフル野菜の栄養と効果、という内容で書いてみた。
抗酸化作用に注目した場合、どの色の野菜にも抗酸化作用がある。
すべての色の野菜を比較して、抗酸化作用の強さがどうか…ということは不明だが、「リコピン(赤)>βカロテン」ということは言えそうだ。つまり、抗酸化作用を期待するのであれば、トマトなどの赤い野菜を食べればいい、ということになる。
赤い野菜よりも強い抗酸化作用を持つのは、野菜ではないが、鮭のオレンジだ。なので、「鮭+トマト」は、抗酸化作用の点では強力なタッグになる。
いろいろカラフル野菜の持つ効果を紹介したが、注意してほしいのは、「1日にどれぐらい食べれば、十分な効果があるのか…」ということについては、よくわからない、ということだ。
なので、もしかすると中には、「毎日、大量に摂取しないと効果がない…」というものもあるのかもしれない。そうであれば、ちょっと食べたぐらいでは、効果は期待できない。
食べれば効果がある、という単純なものではないのだ。とは言え、当たり前の結論だが、野菜はバランス良く食べた方がいいだろう。野菜を食べるときに、色のことも少し気にしてみるといい。
今回の記事:「カラフル野菜の栄養と効果」