どのうがいが風邪にきく?塩、緑茶、紅茶…
風邪をひいて喉が痛くなる…ということがある。
喉が痛くなる前に、喉にイガイガなどの違和感を感じる…という人もいるだろう。そんなとき、あなたは、どのような対策を講じるだろうか。うがいをしよう、と思うのではないだろうか。
今回は、「何のうがいが風邪にきくのか?」というテーマで書いてみたい。
目次
塩水でうがいする
塩水でうがいする、という手軽な方法がある。
塩はどこの家庭にもあるので、すぐに塩水を作ることができるはずだ。
食塩水は、喉の中で炎症を起こしている組織から、余分な水分を取り出すことで、喉の痛みをやわらげるそうです。また、うがいは、多量の粘液を緩め、アレルゲンやバクテリア、菌類などの刺激物をのどから取り除く効果があります。
出典:塩水のうがいは風邪や咳に効く!
塩水によるうがいの効果だが、
1)喉の痛みをやわらげる、2)バクテリア、菌類などの刺激物をのどから取り除く、という2つの効果がある。1日3回うがいをすると、呼吸器感染率を40%まで減少できるそうだ。
また、塩には殺菌作用がある、とする意見もある。
こうしてみると、塩水によるうがいには効果があるようだ。実践するときは、コップ1杯のお湯に塩をひとつまみ入れてうがい水(湯)を作り、それでうがいをすればいいようだ。
高血圧の人でも…
高血圧の人は、塩に抵抗があるかもしれないが(うがいでも、塩分を多少は摂取することになる)、限定的なので、さほど悪い影響はないだろう。多少あっても、無視できる程度ではないか。個人的な意見だが、うがいに伴う塩分摂取については、神経質になることもないだろう。
塩がのどの痛みをやわらげる、ということは知っておいて損はない。
緑茶でうがいする
メジャーなのが、緑茶でうがいすることだ。
その点緑茶にもさまざまな種類があるものの、主力4種のカテキンがキッチリ解明されており、各々が大量に取り出され、分析も容易であり、抗酸化力はじめさまざまな効能が正確に調べられている。一般論としては緑茶抽出液と紅茶抽出液の比較では緑茶のほうが勝るとする論文が多い。
出典:日本紅茶協会
緑茶に含まれる「カテキン」が効く、とされる。
カテキンには殺菌作用があるから、緑茶のうがいは有効だ、ということだが、むずかしく言えば、カテキンには、「ウイルスの吸着や細胞内増殖を阻害する効果」があるそうだ。
風邪をひくと、のどがイガイガして痛くなるが…
緑茶には殺菌作用があると言われています。家でティーパックから入れるお茶やペットボトルで市販されているものでも十分効果があるようです。個人的な意見ですが、私の場合はすでに喉の痛みが出てしまっている場合でも痛みが和らぐ効果があるように思います。
出典:神戸ハーバーランド免疫療法クリニック スタッフブログ
そのときにも、緑茶でうがいすると効果があるかもしれない。
カテキンには、ウイルスの活動を弱める力もあるためだ。
飲んでしまっても問題なし
余談になるが、うがいの最中に、そのまま飲んでしまう…ということがある。
誤って飲んでしまう、ということだが、飲んでしまっても問題はないようだ。飲むと、ウイルスを体内に入れてしまう…と思ってしまうが、胃の中で胃液により無害化されるようだ。
緑茶でのうがいは、カテキンによる効果が期待できる。
紅茶でうがいする
これは、風邪ではなくインフルエンザの話だが、
インフルエンザに関してはウイルスの種類に関係なく、紅茶テアフラビン、緑茶カテキンがウイルス粒子を凝集させ、感染力を失わせる。あくまでも予防効果であり、ウイルスが細胞内に入り込み増殖し始めた状態ではお茶の作用は及ばない。対症療法の投薬が必要である。お茶によるうがいが予防には有効であるが、喉から鼻にかけて紅茶液が行き渡るような工夫が望ましい。
出典:日本紅茶協会
「紅茶テアフラビンがウイルス粒子を凝集させ、感染力を失わせる」ということがあるようだ。
※ただし、予防効果だとしている。
なお、完全発酵である紅茶は、赤い色素のテアフラビンという成分が含まれていますが、この成分は、風邪だけでなく、インフルエンザのウイルスに対しても抗菌作用を発揮します。
そのため、カテキンが変化してできる成分のテアフラビンは、市販のうがい薬をも凌ぐ効果があるとまで言われているほど効果が高いので、インフルエンザにかからないようにするためにも、冬にはうがい用の紅茶を用意して、頻繁にうがいをするようにしましょう。
出典:新宿駅前クリニック
紅茶の場合は、「テアフラビン」という成分が効くようだ。
緑茶のカテキンはよく耳にするが、紅茶の「テアフラビン」はほとんど聞いたことがない。なので、「それは何?」と言いたくなるが、カテキンが変化してできる成分のようだ。
カテキンの親戚がかなり有効
カテキンの親戚とでも覚えておこう(笑)。
このカテキンの親戚は、結構優秀なようだ。「市販のうがい薬をも凌ぐ効果があるとまで言われているほど効果が高い」とのことだ。本家のカテキンとどちらが優秀なのかわからないが、「市販のうがい薬よりも…」ということなので、かなりの効果を持つ成分なのだろう。
※緑茶よりも紅茶の方がいい…と医師に言われた人もいるようだ。
とここまで書いて、もう少し調べてみると…
ところで、お茶に含まれているしぶみの成分であるカテキンは、緑茶を発酵させて紅茶にすると作用が強化されることを知っていますか。紅茶を通常の飲用の5倍ほどに薄め、体温程度にあたためてうがいをすると、カテキンがウイルスの赤血球凝集素に結合して、のどの細胞の鍵穴と結合しなくしてしまいます。要するにワクチンと同じ働きです。
出典:”紅茶でうがい”で新型インフルエンザを予防
そのことを裏付ける主張があった。「緑茶を発酵させて紅茶にすると作用が強化される」そうだ。ここでは、「テアフラビン」という言葉は出てこないが、「カテキン < テアフラビン」ということだろう。どうやら、紅茶によるうがいは正解のようだ。
お酢でうがいする
お酢でうがいする、という方法もある。
風邪やインフルエンザ予防
コップにぬるま湯を入れて、小さじ1の塩、大さじ1のお酢を入れうがいする。
出典:草間デンタルクリニックブログ
お酢には、殺菌作用がある。
酢酸が細菌の成分であるたんぱく質を変性し、死滅させてしまいます。殆んどの菌はお酢の中では、10分以上生きられないそうです。お酢の殺菌力は、腸内でも発揮され大腸菌などの有害細菌も減らしてくれるほか消化吸収も高めてくれます。
出典:草間デンタルクリニックブログ
このことから、お酢でうがいすればいい、ということなのだろう。
酸蝕歯には注意する
ただし、お酢には酸蝕歯(さんしょくし)の問題がある。
お酢によるうがいでは、「歯のエナメル質が、食事や飲み物に含まれる酸や胃酸に触れると、一時的に柔らかくなり、「ミネラル」が失われる」という状況が発生する可能性がある。
なので、お酢でうがいをした後に、すぐ歯みがきをしないとか、普通の水を口に含んでクチュクチュし、口内に残る酸を洗い流す、という対策が必要になると思う。
酸蝕歯の問題については、以下の記事に詳しく書いた。
まとめ
今回は、「どのうがいが風邪にきく?」というテーマで書いた。
今回取り上げたのは、1)塩水でうがいする、2)緑茶でうがいする、3)紅茶でうがいする、4)お酢でうがいする、の4つの方法だ。どの方法でも、一定の効果は期待できそうだ。
個人的には、「塩水でうがいする」を取り入れたい。バクテリア、菌類などの刺激物をのどから取り除く、という効果のほかに、「喉の痛みをやわらげる」という効果があるためだ。
※喉が痛いと、集中がむずかしくなり、仕事などに支障が出るのだ。
手軽に行える、という点も塩水うがいのいいところだ。
今回の記事:「どのうがいが風邪にきく?塩、緑茶、紅茶…」