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闘病記を読んで考えさせられたこと#3

引き続き、「カーテンコール」の内容から、気になった点について書いてみたい。

前回は、セカンドオピニオン、について書いた。今回は、その続きを書いてみたい。今回で、川島なお美さんと鎧塚俊彦さんが書いた「カーテンコール」の書評は、終了となります。

目次

名医の条件

川島さんは、「名医」か「迷医」を判断する術を身につけた、と述べている。

川島さんが表現するところの「ドクターとのお見合い」 を通じて、身につけた、ということだ。川島さんは、以下に当てはまる医師は「名医ではない」と判断している。

患者の目を見ない医師

まずは、患者の目をみない医師だ。

いませんか?あなたの傍らにも。パソコンやカルテばっかり見て、まったくこちらの顔色や心を見ようとしない医師。そりゃあ、画像は真剣に見てもらわないといけないもの。とはいえ、たいていのドクターたちは、診療時間の大半をパソコンとにらめっこ。
出典:カーテンコール, p.134

たしかに、こちらに向き合っているな、と感じる医師と、そうでない医師がいる。

後者のそうでない医師の場合は、人ではなく「オブジェクト」として扱われているな…という感覚に陥る。医師としての技量は別かもしれないが、患者を「オブジェクト」として扱う医師にはかかりたくない…というのが普通の感覚だろう。

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「医師としての技量は別かもしれないが」と書いたが、そうでもないかもしれない。

患者に不信感を抱かせるような医師の場合は、患者から必要な情報を得ることができないからだ。また、そのようなタイプの医師の場合は、受け持つ患者が(不信感を抱き)医師の指示に従わない可能性も十分にある。その結果、その医師の成績は下がると思うのだ。

※治療成績の悪い医師のことを「技量が高い」とは言わないだろう。

こちらの目をみない理由

医師が患者の目を見ない理由は、前回の記事に書いたとおりだ。

この行動には、1)患者とのコミュニケーションが好きではない、2)その程度のコミュニケーションでいいと思っている、3)コミュニケーション能力が低い、4)患者にプレッシャーを与えないようにするため、あえてそうしている、などの理由が考えられるが、4)以外であれば問題だ。

 

また、4)の理由であれば、ヘソは患者の方に向けているはずだ。体ごとPCの方に向いている、ということであれば、4)以外の理由だろう。
出典:闘病記を読んで考えさせられたこと#2

わたしは海外でも何度も医師の診察を受けたことがあるが、

そのときに「オブジェクト」として扱われているな…という感覚に陥ったことはない。

ベッドに寝かされたまま廊下に放置されたときは、「オブジェクト」として扱われている…と思ったが(笑)、医師とのコミュニケーションを通じて、そう思うことはなかった、ということだ。

海外では医療訴訟がよくあるので、患者に悪い印象を持たれないようにする、ということがデフォルトなのかもしれない。

だが(全般に)海外の人の方が、日本人よりもコミュニケーション能力が高い、ということもあるのかもしれない。たとえば、あいさつをしたときにあいさつを返さない割合は、海外の人よりも日本人の方が高いと思う。※うつむくか、横を向いて知らんぷりする人が多い。

緊張する医師?

ある比較的若い医師のエピソードが書かれている。

その医師も診察時、パソコンばかり見ていたそうだ。川島さんはその様子から、そのときはじめてデータを見たのではないか、という印象を持ったようだ。

そこまでであれば、よくある話だが…

その医師が他の医師と違う点は、川島さんを前にして、鼻の下をこする、という仕草を何度も行った、という点だ。鼻の下をこする、というボディランゲージは、何らかのストレスを感じたときに思わず出るものだ。そのストレスを緩和して、平常心を取り戻すために行う仕草だ。

緊張はともかく…

ここからは想像だが、その医師は川島さんを前にして、緊張したのだろう(同性だから余計に緊張したのかも?)。

比較的若い医師なので、有名人を診察する、という経験が初めてだったのかもしれない。同席した鎧塚さんも、「緊張してたのかな?」と感想を述べている。

有名人を前にして緊張すること自体は、仕方のないことだと思うが、問題はやはり(緊張からなのか?)パソコンばかり見ていた、ということと、患者にそのときはじめてデータを見たのではないか、という印象を持たせたことだ。本当にその医師が、そのときはじめてデータを見たのかどうかはわからないが、患者にそう見られてしまうと、患者の信頼を勝ち取ることは難しいだろう。

自分の利益を考える医師

次に、患者の利益よりも自分の利益を考える医師だ。

川島さんは、ある医師に対し、このような印象を持ったそうだ。

切りたくて、最先端治療をやりたくてやりたくて、ウズウズしているように感じられました。私の気持ちはそっちのけ?
出典:カーテンコール, p.136

以前わたしは、ある不動産会社で、物件を購入しようとしたことがある。

そこの担当者が、顧客の利益よりも、自分の利益を追求するタイプで、閉口したことがある。

わたしもビジネスを自分で行っている人間なので、売りたい気持ちはとても理解できるが、とにかく売ってしまえばいい、というものではないのだ。売り手サイドは、買った顧客が、後に「買ってよかった」と思うモノやサービスを売る必要があるのだ。

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心に寄り添える職人が理想

医師の場合も同じだ。

医師は患者がのちに「その治療を選択してよかった」と思うような、リコメンデーションをする必要がある。組織の利益、自分の実績づくりや技量を保つためのプラクティスなどを、必要以上に優先して考えるべきではない、ということだ。

そのタイプの医師は避けたい。

※病院の方針も医師に影響を与えると思う。もともと患者の利益を考えるタイプの医師でも、組織からのプレッシャーが強くなると、自己の利益を優先させるようになるかもしれない。なので、病院の方針や評判を確認することも大事だ。

川島さんは、「患者の心に寄り添うことのできる職人が理想ですね」と書いている。

まとめ

全3回で、川島なお美さんと鎧塚俊彦さんが書いた「カーテンコール」を読んだ感想などを書いてみた。

読んだ人の評価を確認してみたが、やはり高いようだ。

現代医療への提議も大きな意味を持っていると思います。
なお美さんがご自身の治療を通して感じた現代医療への不信感や不満などが
いつもの歯切れの良いなお美節で書かれています。
上に書いたとおり、かならずしも、なお美さんが書かれた事が真理とは限りません。
ただ、一人の患者から見た、医療従事者の患者への向き合い方、関わり方に一石を投じる内容だと思います

出典:カスタマーレビュー: カーテンコール

医療に興味があるかたは、一度読んでみてはどうだろうか。

今回の記事:「闘病記を読んで考えさせられたこと#3」