血圧を薬なしで下げる!

血圧を薬なしで下げることに挑戦するブログです。健康全般の話題も…

ストレスに対する反応を嫌だと思う必要はない

ストレス反応というものがある。

ストレス反応は、外部からの刺激に対する体の反応のことだ。

たとえば、プレゼンやスピーチの前に、緊張してドキドキしたり、手のひらに汗をかいたり、震えがくる…ということがあるが、これらのことも、ストレス反応としていいだろう。胃のあたりが痛くなる、というのもそうだ(笑)。

ストレス反応を感じると、「嫌だな…」という気持ちに支配され、「失敗するのではないか…」とネガティブな気持ちになってしまうが、そうなることは非合理的なことのようだ。

今回は、ストレス反応について書いてみたい。

目次

ストレスとストレス反応

ストレスという言葉の意味から整理しておこう。

ストレスとは、(心身の負担になる)外部刺激、及びその刺激に対する体の反応、生体機能の変化のことだ。なので、「ストレスを感じる」とすると、「外部刺激を感じている」という意味か、その刺激による体の反応や生体機能の変化を感じている、という意味になる。

この外部からの刺激のことを「ストレッサー」とも呼ぶ。

ストレッサーは(ひとつの分類では)、1)物理的ストレッサー、2)化学的ストレッサー、3)生物学的ストレッサー、4)心理的ストレッサー、5)社会的ストレッサー、の5種類ある。

仕事や私生活における人間関係のトラブルからストレスを感じることがあると思うが、これは5番目の「社会的ストレッサー」に該当する。

自分の反応がストレス反応

外部刺激に対する体の反応、生体機能の変化は、ストレス反応とも呼ぶ。つまり、ストレスという言葉は、ストレス反応とストレッサーという言葉の意味を含む包括的な言葉ということになる。

※外部刺激はストレス、それに対する反応はストレス反応とすればわかりやすい。

ストレスを感じると…

猫のストレス反応

心身の負担になるストレスを感じると、どうなるのだろうか。

道を歩いていると、警戒心の強い野良猫が(自分に近づいてくる人を見て)こちらを敵だと思い、身構えることがある。そのとき野良猫は、目を見開いて(瞳孔を開いて)こちらを見ているはずだ。

自分の身が危ういと思えば、毛が逆立ち、心拍が増加し末梢の血管が収縮する(収縮は出血を防ぐため)。肝臓でブドウ糖を生産したり、副腎皮質からアドレナリンを分泌したりもする。酸素をより取り込めるようにするために気管支が太くなる、ということもあるようだ。

※この体の変化は、ストレス反応としていいだろう。

スポンサーリンク
 

 

ストレス反応とは

ストレス反応とは、外部からの刺激に対する体の反応のことだ。

なので、今述べたように、心拍が増加したりコレチゾールやアドレナリンが出たり…という直接的な反応のことだと理解していた。だが、もう少し広い意味でも使うようだ。

文科省によると、ストレス反応は、「長時間ストレッサーの刺激を受けた場合や、強いストレッサーを受けた時に生じる生体反応であり、ストレッサーに対する生体の自然な適応反応と考えられている」そうだ。

心理的な反応として、不安、恐怖、怒り、落ち込みなどがあり、

行動面の反応としては、攻撃的、過激な行動、孤立、引きこもり、拒食・過食など、身体面の反応としては、動悸、頭痛、腹痛、下痢、睡眠障害などがあるそうだ。

※比較的長いスパンで生じる反応も、ストレス反応と呼ぶようだ。

ストレス反応を嫌だと感じる

ストレス反応を感じると、嫌だと思ってしまう。

単純な例で考えてみよう。大事なプレゼンを前にすると、緊張する。心臓がドキドキしたり、手のひらに汗をかいたり、内臓に嫌な感覚が生じたりする。呼吸も浅くなるだろう。そんなとき体内では、コレチゾールやアドレナリンが出たりしているのだろう(笑)。

失敗したらどうしよう…と不安にもなる。これらストレス反応は、「良いもの」とは考えにくい。

恥ずかしい・カッコ悪い…と思う

できれば(ストレス反応を)パスしたい、と思うだろう。

あるプロの歌手が歌う前の手の震えを指摘されたことがあるが、「緊張のあまり手が震えました」というのは、カッコいいことではない。棋士が手を震わせる、というシーンもあるが、これもカッコいいことではない。

他人の評価を気にする人であれば、「小心者と評価される」と思って落ち込むかもしれない。

※ストレス反応は「嫌なもので害になる」としやすいのだ。

ストレス反応が害になるケースは…

ストレス反応が害になるケースは当然ある。

ストレス反応が長く続く場合だ。ストレス反応が長く続くと、ストレス障害につながる。

ストレス障害には、心身症、精神的障害、適応的障害などがある。感情が不安定になり、生活に支障が出るようになる、不登校や出社拒否などをしてしまうのも、適応障害のあらわれだ。

脳に悪い影響を与えることも…

また、ストレスホルモンが脳に悪い影響を与える、ということもある。

記憶をつかさどる海馬や、前頭前野に悪影響を及ぼし、脳の働きが悪くなることがある(記憶力や判断力、意欲などに影響が出る)。大きなストレスから生じたストレスホルモンが、脳のシナプスを破壊する…ということもあるようだ。

大きなストレスや長く続くストレス反応は、害になる可能性がある

スポンサーリンク
 

 

ストレス反応は悪くない

だが、ストレス反応は必ずしも悪いものではない。

たとえば、トラウマになるような体験をしたとき、体に強いストレス反応が起こった場合の方が、長期的な回復につながる可能性が高いそうだ。

実際に、PTSDを発症した人の症状が、ストレスホルモンの投与により改善した事例がある。

また、外傷性の外科手術を受ける患者にも、ストレスホルモンが投与されるようになってきているそうだ。

そうすることにより、外傷性ストレス症状が最小限に抑えられ、術後の生活の質にも向上が見られるそうだ。さらに、心理療法においてもストレスホルモンの投与により、治療効果を高めることができるそうだ。

※「ストレス反応=害悪」ではなく、役立つこともある。

 

ストレスに対する反応 - サマリー

まとめ

今回は、ストレス反応について書いてみた。

プレゼンやスピーチの際、緊張しすぎて失敗してしまうことがある。

その原因だが、心臓がドキドキしたり、手のひらに汗をかいたり、震えがくる…という症状を自分で感じ、それを隠そうとしてさらにストレスを感じる、焦ってしまう…ということがあるのではないだろうか。

今回の話で、ストレス反応を感じたからといって、焦る必要はない…ということがわかると思う。

ストレス反応は「嫌なもので害になる」と思うこと自体が、害になり失敗を招くのだ。

ストレス反応を感じたとき、「この反応でOKだ」と思うことができれば、プレゼンやスピーチで成功する確率が高くなるのではないか。それらの機会がある人は、試してみてほしい。

今回の記事:「ストレスに対する反応を嫌だと思う必要はない」

参考文献:「The Upside of Stress」K.McGonigal. Ph.D.