血圧と筋肉の関係について考える
最近特に、筋力アップをしようと心がけている。
というのは、どうも筋肉が落ちてきているような気がするのだ。体重がひところよりもかなり減ったのだが、内臓脂肪だけではなく、筋肉の減少分もそこそこあるような気がする。
※筋肉は、加齢により減少する。
だが一方で、高血圧の人が筋トレをすると、血圧が上がり危険だ、とする意見もある。筋トレ時は息を詰めがちになるため、どの程度かわからないが血圧が上がるのだろうと思う。
今回は、血圧と筋肉の関係について書いてみたい。
目次
- 目次
- 筋肉をつけるメリット
- 血流がよくなる
- 血行と代謝機能は関係がある
- 転倒のリスクが小さくなる
- 筋肉が脂肪に変わるのか?
- 筋肉と脂肪の間に相関はある
- 筋トレ中に息を止めないようにする
- 階段上りの場合
- まとめ
筋肉をつけるメリット
まず、筋肉をつけるメリットを整理してみる。
筋力をアップすることで、免疫力が上がる可能性がある。
筋力をアップすると、基礎代謝が上がり、体温が上がるのだ。
※筋肉量が多いほど燃焼するエネルギーが多くなる(発熱する)。体温が上がれば、免疫力も上がることはよく知られている。
免疫力は体温が1度下がると、30%程度低下するそうだ。
参考:高血圧の人は「筋力アップ」した方がいい
体温が上がる ⇒ 免疫力が上がる、というメカニズムだ。
※筋肉が減ってしまうと体温が低下し、免疫力も下がる。
今日の日本人は、(筋肉量の低下により)昔の日本人より体温が低下しているそうだ。したがって、筋力を上げて体温を上げる、ということを意識した方がよさそうだ。
※平熱が36度以下の人が増えているようだ。
血流がよくなる
筋肉量と血流には、関係がある。
筋肉量と血流には、比例関係があるのだ。筋肉量が減ると、血流が悪くなり、筋肉量が増えると、血流が良くなる、という単純な関係だ。筋肉の収縮運動には、血流を補助する役割がある。※筋肉が血管を収縮・拡張させ、血流を良くする(乳しぼり効果という)。
参考:高血圧の人は「筋力アップ」した方がいい
※筋肉量と血流には、比例関係がある。
血流が良くなれば、心臓の負担は軽くなり、血圧にも良い影響を与えるだろう。一方、血流が悪くなれば、心臓の負担が大きくなり、高血圧にもつながる可能性がある。
※脳の血流も良くなれば、脳梗塞を防ぐ効果も期待できる。
血行と代謝機能は関係がある
筋力不足により体温が下がると、血管が収縮し、血行が悪くなる。血行が悪くなれば、細胞に酸素や栄養を送ったり、老廃物などを回収&排泄する、という代謝機能が落ちる。
代謝機能が落ちれば、色々なトラブルの原因になる。※血液循環の悪化が、疲れや痛みの原因になることもある。血流というのは、カラダにとって、とても大事なものなのだ。
転倒のリスクが小さくなる
筋肉をつけることで、転倒のリスクを小さくすることができる。
お年寄りが転んで骨折をした、というニュースを聞くことがあるが、転倒の原因のひとつは、筋力の低下だ。筋力の低下により、歩行時に足を十分上げることができなくなり、つまずいて転びやすくなるのだ。※「すり足」のようになってしまうため、躓きやすくなってしまう。
また、歩行のスピードが落ちると、転びやすくなるそうだ。
これは、自転車のスピードを落とすと、バランスがとりにくくなる、という現象と同じだろう。誰しも歳を取ると歩くスピードは落ちるが、その主要な原因は、脚の筋力低下だと思う。
筋肉が脂肪に変わるのか?
筋肉が脂肪に変わるのではないか…と思ったことがないだろうか?
筋肉が落ちた気がするのと同時に、脂肪が増えたような気がすることがあるためだ(実際そうなっている)。そのとき、「筋肉が脂肪になったのか?」と思っても、不思議はないだろう。
結論を言えば、筋肉が脂肪に変わることはないし、その逆もない。
筋肉と脂肪の間に相関はある
それぞれの素材が違うためだ。
筋肉はたんぱく質からできており、脂肪は脂質からできている。
また、筋肉が減るということは、筋肉を構成する筋線維の数が減ったり、細くなったりする、ということだ。なので、減った筋肉が脂肪になるわけではないが、筋肉と脂肪の間に相関はある。
※そのために、筋肉が脂肪に変わるように思えてしまう。
筋肉が減る ⇒ 基礎代謝が減る ⇒ エネルギーが余る ⇒ 脂肪になる
という関係があるのだ。
筋トレ中に息を止めないようにする
筋力アップをするためには、筋トレが必要になる。
だが、筋トレをすれば、血圧は上がる。なので、このジレンマをどう解消するかが問題になる。ひとつの方法は、筋トレ中に息を止めないようにする、ということだ。※息を詰めてはいけない。
それに輪をかけて、息を止めてこらえる「怒責」をすると、腹部が強く収縮して胸部内圧が上がり、血圧は更に上がってしまいます。(普段から血圧が高い人は、筋力トレーニングをする際に、必ず呼吸を止めずに行うようにしましょう。)
出典:血圧と筋肉の関係
便秘でいきむと、血圧が上がるが、それと同じことが筋トレ中にも起こる。なので、ある程度リラックスした状態で、筋トレを行うことが大事になる(意識して息を詰めないことだ)。
※筋トレ時は、呼吸をしっかりするように、意識した方がいいだろう。
階段上りの場合
わたしが実践しているのは、スクワットと階段上りだ。※「階段上り」について考えてみる。
これまで学んだ『腕をしっかり後ろに引く』『骨盤を左右に回旋した動力で脚を引き上げる』というポイントに加えて、階段を上るときには、ヒップに力を入れて足裏で階段の面をぐっと踏み込むこと。すると、膝が伸びて上体が骨盤の真上に乗り、体の軸が真っすぐに保てます。体幹を使うだけではなく、一段ずつ上るたびにヒップにある大殿筋(だいでんきん)を使うため、ヒップアップ効果も期待できます。大きな筋肉が鍛えられるため、体の代謝アップにもつながります
出典:階段を使えば体幹ウォーキングは“筋トレ”になる!
階段を上がるときは、足裏で階段を踏み込むように上がるといいようだ。
階段を上ることは、筋トレにもなるし、長時間続ければ、有酸素運動にもなり得る。
ただやはり、運動中に血圧が上がることは間違いない。※階段上りで息を止める、ということはあまりないのだが、それでも血圧は高くなる。
なので、 「筋トレをすれば、血圧が上がる」というジレンマを解消することはできない。
結局、トータルで見た場合の利益が最大になるポイントで、折り合いをつけるしかないのだ。この最適のポイントがはっきりわかればいいのだが、そうはいかないのがむずかしいところだ。
※カラダの調子を自分で観察して、見極めるしかないのだろうと思う。
まとめ
今回は、血圧と筋肉の関係について書いてみた。
血流と筋肉量は比例するので、「ちょっと筋肉が落ちたな…」と自覚している人は、筋肉量を増やす努力をした方がいいだろう。個人的には、「階段上り」や「スクワット」がおすすめだ。
※両方とも日常の中で手軽にできる筋トレだ。「階段上り」では、上がり方にも留意したい。
各筋トレをするときは、(血圧の上昇を抑えるために)息を止めないように注意しながら実践したい。その点さえ注意すれば、筋肉量を増やす努力は、正しい努力になり報われると思う。
今回の記事:「血圧と筋肉の関係について考える」