砂糖と健康|砂糖で血圧が高くなるのか?
あなたは、砂糖と健康の関係を考えたことがあるだろうか?
もっといえば、砂糖と血圧の関係を考えたことがあるだろうか。
砂糖をとることと血圧が関係あるの?と思うかもしれないが、実は関係あるのだ。「高血圧だけど甘いものが好きでよく食べる」という人は、少し注意した方がいいかもしれない。
今回は、砂糖と健康について書いてみたい。
目次
- 目次
- 砂糖に関する基礎知識
- 砂糖の種類
- 砂糖のメリット
- 良質の筋肉を作る
- 砂糖のデメリット
- キレやすくなる?
- 砂糖が血圧に及ぼす影響
- 砂糖たっぷりのジャンクフードに注意する
- 砂糖で血圧が高くなるのか - サマリー
砂糖に関する基礎知識
砂糖は天然の甘味料だ。
皆さんは野菜や果物を食べたときに「甘い」と感じられると思います。この「甘さ」は野菜や果物に含まれている、主にショ糖などの糖分を味わっています。
糖は植物が自らの栄養源として、光合成によって作られます。
お砂糖は、植物の中でも特にショ糖を作る能力に優れた、「サトウキビ」や「サトウダイコン」などを原料にして作られます。
出典:お砂糖のできるまで
砂糖は、サトウキビ、サトウダイコン(テンサイ)、サトウカエデ、サトウヤシ、サトウモロコシなどの植物を原料にして、作られているそうだ。※国産原料の割合は、4割程度だそうだ。
砂糖の種類
砂糖は大きくわけると、1)含蜜糖、2)分蜜糖、に分類できるそうだ。
※製造法による分類。蜜を分離するから「分蜜糖」と呼ばれる。
1)含蜜糖、には、黒砂糖や赤砂糖、和三盆などが含まれ、2)分蜜糖、には、ザラメ糖、加工糖、グラニュー糖、上白糖、角砂糖、氷砂糖などが含まれる。
また、日本と海外では、「一般的な砂糖」の認識に違いがあるようだ。
日本においては最も一般的な砂糖は上白糖であり、日本での消費の半分以上を占めるが、上白糖は日本独自のものであり、製造消費されるのも日本が主で、ヨーロッパやアメリカではほとんど使われない。世界的に最も一般的な砂糖といえばグラニュー糖を指す。
出典:砂糖 - Wikipedia
日本では、「上白糖」が一般的で、海外では、「グラニュー糖」が一般的だそうだ。
※どちらも、2)分蜜糖、ではある。
砂糖のメリット
ダイエットなどでは、目の敵にされることのある砂糖だが…
砂糖をとることにもメリットがある。
まず、砂糖は素早くエネルギーになる。
摂取された砂糖は、すばやくブドウ糖と果糖となり血液中に取り込まれます。そして取り込まれたブドウ糖と共に果糖もブドウ糖となって、全身の筋肉に運ばれてエネルギー源となります。一方、すぐにエネルギーとして使われずに余ったブドウ糖は、「グリコーゲン」という貯蔵型の糖に変えられて、筋肉組織や肝臓に貯えられます。
出典:お砂糖と運動
疲れたとき、甘いものを食べると元気になる、ということがある。
これは砂糖のおかげだろう。
運動などで肉体的に疲れたときは、砂糖をとることで疲労回復につながるようだ(砂糖には、運動により消費したグリコーゲンを補う働きがある)。私が実感しているのは、頭脳労働で疲労したときだ。そのとき、甘いものを食べると、疲労感が薄れ、元気を回復することができる。
なので、おやつには甘いものを用意している。
良質の筋肉を作る
砂糖は、質の良い筋肉を作ることにも有効だそうだ。
運動をすると、筋肉ではたんぱく質の合成と分解がどちらも最大になりますが、インスリンには「たんぱく質の分解を抑える」「たんぱく質の合成を促進する」という働きがあります。このインスリンの分泌を刺激するのが砂糖なのです。これにより、運動の後に砂糖を摂るようにすると、このインスリンの分泌を刺激して、より質のよい筋肉をつけることができるようになります。
出典:お砂糖と運動
インスリンには、1)たんぱく質の分解を抑える、2)たんぱく質の合成を促進する、という働きがあるそうだ(臓器細胞にブドウ糖を取り込ませる働きもある)。これらの働きにより、(運動後に砂糖をとれば)質の良い筋肉をつけることができるそうだ。※この話は正直意外だった。
筋肉量と血流には比例関係があり、高血圧の人は筋肉量を落とさないようにする必要がある。そのために、砂糖が役立つ可能性があるのだ。運動後に砂糖をとればいい、と覚えておきたい。
※甘いおやつを食べるのであれば、運動後だ。
砂糖のデメリット
白砂糖にはデメリットがあるようだ。
人間の体内は中性から弱アルカリ性が基本である。 それ故酸性食品が入ると、その中和のために体内のミネラル分が消費される。 このとき最も多く消費されるのがカルシュームである。 白砂糖の場合、それ自体にカルシュームが含まれていないので必要なカルシュームは 体内の歯や骨を溶かして供給される。
出典:第28話 塩の誤解 砂糖の誤解
白砂糖は酸性度の強い食品だそうだ。そのため、白砂糖をとると、(体内は中性~弱アルカリ性が常態であるので)中和させる必要があるため、ミネラル分が分解される。
その際に、カルシウムが消費されるそうだ。そう言えば、子供のころ、「○○を飲むと骨が溶けるよ…」と言われたことがある。それはあながちウソではなかったのかもしれない。
※ただ、どの程度摂取すればそうなるのか、については不明だ。適切な量(少量)であれば、歯や骨が溶ける…ということはないと思うが、どうだろうか?
キレやすくなる?
「シュガーハイ」というものがあるそうだ。
糖分の吸収が速いと急速に血糖値が上昇する。(特にショ糖の吸収速度は速い。)それを抑えるためにインスリンが分泌されホメオスタシスが十分でない子供は低血糖になる。 今度は低血糖を訂正するためにアドレナリンが分泌され、アドレナリンの作用で興奮気味となりやがてはキレる子供の誕生となる訳である。
出典:第28話 塩の誤解 砂糖の誤解
「ショ糖」とは、砂糖の主成分のことだ。
先進国における主要な甘味料であり、砂糖の主成分である。一般にはサトウキビや、サトウダイコン(テンサイ)から抽出し、純度を高め結晶化したものである。原料としては他にソルガム(モロコシ)とサトウカエデがある。ちなみにショ糖の結晶を大きく成長させると氷砂糖になる。
出典:スクロース - Wikipedia
良質の筋肉を作ることではプラスに機能したインスリンの働きが、裏目に出るということだろうか。
特に、ホメオスタシスが十分でない子供の場合は注意した方がよさそうだ。
キレやすい子供の場合は、砂糖の過剰摂取が(その性向の)原因かもしれない、ということだ。子供がキレやすく困っている…という悩みを持っているのであれば、子供の食生活をチェックした方がいいだろう。甘いお菓子などをたくさん食べていないだろうか…。
そのほか、砂糖には「むし歯」などの問題もある。
砂糖が血圧に及ぼす影響
砂糖が血圧に及ぼす影響はどうだろうか?
砂糖入りのソフトドリンクを飲む量が増えると、高血圧と心臓の病気のリスクも高くなると報告されている。脳卒中のリスクは高くならない。 具体的には、砂糖入りのソフトドリンクの消費が1日で1杯増えると、高血圧のリスクが1.08倍。冠動脈性の心臓病のリスクは1.17倍に上がった。
出典:ソフトドリンクで「糖尿病」「高血圧」「肥満」など危険の指摘が相次ぐ
砂糖入りのソフトドリンクをたくさん飲むと、高血圧と心臓の病気のリスクが高くなるそうだ。
ただし、脳卒中のリスクは上がらないそうだ。※高血圧のリスクが高くなっても、脳卒中のリスクは上がらない…という部分が興味深いが、高血圧の人は甘い飲料を避けた方がいいだろう。
用意された食事プランは、カロリー全体の中で砂糖が占めるカロリー量を28%から10%にカット。果糖の占めるカロリー量を12%から4%に減らしたものでした。
この食事プランを9日間、子供たちに守ってもらったところ、血圧は劇的に低下し、肝機能も改善。研究チームのリーダーを務めたカリフォルニア大学サンフランシスコ校のRobert Lustig博士は、「今回の研究によって、砂糖はカロリーが多くて体重を増やすから問題なのではなく、砂糖は砂糖であるが故に代謝にとって有害であることが決定的になった」とコメントしています。
出典:砂糖断ち9日間で高血圧・高コレステロールが解消
糖分を減らすと、血圧が低下した、という実験の結果がある。
血圧の低下だけではなく、 肝機能も改善したそうだ。実験をしたドクターは、「砂糖は砂糖であるが故に代謝にとって有害である」とコメントしたそうだ。※奥の深いコメントだ。
砂糖たっぷりのジャンクフードに注意する
どうやら、砂糖が原因になって血圧を上げることはあるようだ(メカニズムの説明は割愛する)。
悩ましいのは、砂糖のデメリットがメリットを上回る点(摂取量)がどこかはっきりわからない…という点だ。
だが、言えることもある。
わたしは以前、糖分たっぷりの飲料を、水代わりに飲んでいたことがある。
そのことを歯科医に指摘されて(歯茎の腫れなどでわかるらしい)、その習慣を取りやめたが、このような愚かなことをしてはいけない(無知は怖い)。
つまり、糖分たっぷりの飲料を含むジャンクフードをとり過ぎないようにした方がいい。たとえば、糖分たっぷりの飲料を水代わりに飲んではいけない(むし歯+αの悪影響がある)。
これだけは、自分の経験からもはっきり言える。
砂糖で血圧が高くなるのか - サマリー
まとめ
今回は、砂糖と健康について書いてみた。
砂糖には、メリットとデメリットがある。したがって、(量とタイミングの点で)上手く摂取できれば、メリットがデメリットを上回り、砂糖をとることが健康にもプラスに働くだろう。
※量だけではなく、いつ甘いものを摂るのか、についてよく考えた方が良さそうだ。運動後に砂糖を摂ればいい。ただし、体が甘いものを欲していないときは、摂らない方がいいだろう。
砂糖を上手にとって、健康の味方にしたいものだ。
今回の記事:「砂糖で血圧が高くなるのか」